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裸の十九才のmhのレビュー・感想・評価

裸の十九才(1970年製作の映画)
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のちの作家としても有名になる死刑囚、永山則夫の人生をセミドキュメンタリーにしている。実録ものという言葉が流行する以前だし、永山則夫連続射殺事件の二年後なので、まだ死刑になる前だし、手記が世に出る前の映画。
寒村で大家族で貧困で不幸という生い立ちを、言葉で説明することなく、丁寧にエピソードを重ねている。悲惨だがありふれていた青春がそこにある。
集団就職や睡眠薬ブームなど、高度成長の闇の部分がうまく描かれていて、モスクワ国際映画祭金賞も納得だった。
上昇するエレベーターでよかった時代(マラソン大会優勝)などのカットバックなど、すべてがかっこよくて、わかりやすいヌーベルバーグといった趣もある。
傑出した映画人、新藤兼人の代表作といっても過言ではない一本。
これは痺れるね!
面白かった!
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