ダイナ

ドライヴのダイナのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
4.4
昼は整備工場で働きスタントドライバーのバイト、夜は強盗の逃し屋で生計を立てる孤独な男。詰まる所一日の大半を運転している孤独な男がお隣さんの人妻とその子供との親交で情を感じた矢先、暗雲立ち込めるバイオレンスな展開にまっしぐらなお話。ライアン・ゴズリング演じる寡黙な主人公が人妻アイリーンとぎこちない会話や、息子のベニッシオ君との何気ないやり取りの「不器用ながらも幸福感じてる」様子がたまらなく、後半の過激な展開をいっそう極立たせていて良かったです。そして想像以上に痛覚を呼び覚ましてくるような描写が多く、「裏の世界感」を濃く感じることでカタギ巻き込んじゃいけませんぜな気持ちに共感できるわけです。打算やら一般的な感覚から外れた肩入れに説得力のある脚本、魅力的な映像に惹かれてしまってもう最高。タクシードライバー鑑賞時にも感じる、悲哀と狂気を秘めた男ってのはなんでこうも運転する姿が美しいのか。

大味でないバイオレンスと静かな雰囲気にどことなく北野武映画の雰囲気を感じたり。エレベーターのシーンとかね、もうビビッときます。
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