先週末、時間があったのでフラッとモーニングショーで鑑賞。
自動車工場で働きながら、映画撮影現場のスタントの仕事や強盗の逃し屋も請け負う「ドライバー」の男性が、自宅の隣に住む親子の出会いから、大きな事件に巻き込まれていく物語。
小説原作のクライムサスペンス作品でありますが、日本で言えば、当方も愛読する『週刊漫画ゴラク』のような劇画の作品群を彷彿とさせる作品であったと思います。一方で音楽の使い方や映像の繋ぎ方などはスタイリッシュな作りをされておりますので、寡黙な主人公を中心に粛々と進む前半部などには良いアクセントになっていたと思います。
主人公の「ドライバー」は、登場人物の誰も知らず、そして名前は最後まで語られることは無かった。彼が語る滞在時期、僅かに映される生活感の無い部屋を見ると、一人で街を転々としていたのではないかと推測されます。
そして、その多くを語られず、彼が何者であるのかを鑑賞者が感じ取れるからこそ、親子との出会いの持つ意味の大きさにも気づいていきました。だからこそ、後半の彼の疾走にも説得力が増してきます。
行間の読ませ方とでも言いますか、この辺のバランスは非常に良かったと思います。