mickey

ドライヴのmickeyのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
4.5
個人的には、とにかくオスカー・アイザックです。

ライアン・ゴズリングは最高にカッコいいしキャリー・マリガンは可愛いし、哀愁漂うブライアン・クランストンもドスの効いたロン・パールマンも味があるし、何より本作でゴールデングローブ賞にノミネートされたのはアルバート・ブルックスですけど、それでもオスカー・アイザックですよ!

彼が演じるのは、主人公のドライバーが秘かに想いを寄せるアイリーンの夫、スタンダード・ガブリエル。これが絶妙なバランスだったと思います。彼が少しでも良い人だと犯罪者としてのリアリティがなくなるし、逆に悪い人だと純粋なアイリーンとの夫婦関係にリアリティがなくなります。
もし、彼がクズだったら主人公はアイリーンを略奪したでしょうが、ガブリエルは妻子を大事にしていて、家族との時間を取り戻すべく再出発しようとしている。だから主人公はアイリーンとの関係に踏み込めないし、ガブリエルの人間臭さ、魅力があるから見返りなく手助けしようという気持ちになる。
アイリーンも一歩間違えると浮気性に見られかねないところですが、ガブリエルの懐の深さと存在感を見ると、夫の不在で主人公に揺らぐ気持ちに説得力がありました。本作はオスカー・アイザックの演技なくしては成立しなかったと思います。

話はシンプル、スタイリッシュな映像と音楽と純愛とヴァイオレンスの100分は中毒性があり、夜にドライヴしたくなる映画No.1だと思います。
また、本作の元ネタとなったウォルター・ヒル監督作『ザ・ドライバー』も合わせて鑑賞すると楽しめると思います。


P.S.ローリング・ストーン紙のコメント「★★★★この野郎!面白いじゃないか!!」がとても印象に残ってるのは自分だけじゃないはず。
mickey

mickey