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さらば、わが愛 覇王別姫のケチャこKechacoのネタバレレビュー・内容・結末

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ほんと圧倒的な映像美……誰も救われない暗い話なんだけど、それがまた映像と合わさって独特の良さを産んでるというか……
哀愁のある劇伴もほんと好き。

劇中に出てくる京劇の演目がその後の展開とリンクしててなんとも言えない気持ちになる。
小楼と蝶衣が辛い幼少の修行時代を経て役者として大成して、やがて時代に翻弄されて取り残されていくのが切ない。
それは戦争だったり中国国内の政治の変化だったりするんだけど、個人的に時代の変化を特に感じたのは、師匠のように蝶衣が小四を折檻しようとして拒絶されるシーンだった。
確執があった菊仙と蝶衣は一度は信頼関係が芽生えかけてただけに最終的にああなってしまったのが悲しい……時代の荒波がなかったら二人が和解するifもあったんだろうか。

最後に蝶衣が自害した意味を考えてしまう……彼は自分の演じた劇の中で死ねて幸せだったんだろうか。
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