スギノイチ

続やくざ坊主のスギノイチのレビュー・感想・評価

続やくざ坊主(1968年製作の映画)
3.5
今回の竜全は、お家騒動に巻き込まれてしまった儚い娘を守ってあげるハードボイルド仕様。
「騒ぐんじゃねえぞ…」と娘に迫り「いつもの手籠め展開キター」と思っていると、娘の盾になり追手を瞬殺。
娘は、たまらず竜全に抱き着く。竜全、ついに純情を知るの巻。
前作の悪辣ぶりを知っていると、そのギャップと漢気にぐっとくる一作だ。
(実はそこからまた二転三転あるのだが)

『座頭市』『兵隊やくざ』色が強い前作に比べ、今作はむしろ『悪名』に近い雰囲気を感じる。
前作では比較的地味で暗い画が多かったが、今作は舞台が海辺な事もあり画が華やか。
また、竜全の破戒僧っぷりは相変わらずだが、キャラクターに若干の変化がある。
カタギには悪さはしない、困っている娘を犯さずに(←重要)助ける等、ヒーロー化の兆しが見える。
(とはいえ、あわよくばヤッテしまおうと虎視眈々ではあるが)
このシリーズは当時の大映が瀕死状態だった為か2作で終わりだが、続いていれば竜全も善玉化したかも。
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