さとみん

座頭市千両首のさとみんのネタバレレビュー・内容・結末

座頭市千両首(1964年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

座頭市シリーズの第6段。
冒頭から座頭市:勝新太郎の居合がさえわたるが、黒闇の中での殺陣はいわば座頭市が日常的に目にしている光景であり、過去5作とは異質な物を感じる。

血飛沫や血糊を使ったのはシリーズ中今作が初(多分)だし、お吟:長谷川待子の入浴:シーン、過去作ではお色気シーンはほぼ無かったが、今作ではそれらが入っており、逆に過去作定番のヒロインと市の恋愛絡みは無くなっており、今でにない新しい座頭市像を模索していたのが感じられる。

ストーリーは村の囃子大鼓でノリノリの市から明るい展開になると思ったら一気にダークな展開。
折角、城健三朗使っているのに最初ちょっとしか出ないし、恒例の賭博シーンもなかなか来ない。
国定忠治:島田正吾も部下が千両箱強奪に関わっていたのに、千両箱の在り処を尋ねるのが先だと思うが、山を降りるのどうのって話になるし、市は子供背負ったまま下山するし、脚本かなり強引でご都合良く、ミスったのかと思ったが、仙場十四郎:城健三朗との一文銭の対決から一気に盛り上がる。このシーンがやたら格好いい。

今までは徒世人の争いに巻き込まれて、ってパターンが多かったが、今日の黒幕は悪代官。水戸黄門みたいなパターンで、これも斬新。

ラストは仙場十四郎との勝負。やっぱリそうなるよね。前半どうなるかと思ったが、終ってみると傑作。座頭市はこたえられん。
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