片腕ファルコン

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

4.1
「腐った映画に死を!!」
「オレには大志(ヴィジョン)がある!!」
「シネコンをぶっ潰してスクリーンを奪回せよ!」
「メジャー映画を破壊して夢を取り戻せ!」
「くだらないテレビゲームを映画化するな!」
「アンタの親が好きなのはお笑いドラマの映画化版だろ!」
「ヒットしたからってすぐ続編つくるな!!」
「最悪なのは映画の最中にベチャクチャしゃべること!」
「アングラ映画はセックスも暴力もハリウッドにパクられた」

紳士系ヘンタイ監督ジョン・ウォーターズの最高傑作!
『ピンク・フラミンゴ』で拒絶した方も安心してご覧下さい!!

ハリウッドの腐りきった商業映画、シネコン映画館、拝金主義をぶっ飛ばす映画テロリスト集団のアナーキームービー!!

2001年の公開当時、映画館で見ましたが…コレは15年経った今見た方が状況が一致してるし、上記に代表するような全てのセリフが腑に落ちます。

ストーリーは…とある映画祭で下火の女優メラニー・グリフィスを映画テロリストが拉致して、彼女主演で低予算映画をゲリラ撮影で完成させようとする奮闘記!
脅迫されていやいや演じるメラニー・グリフィスもだんだん輝きを増していくその姿は『サンセット大通り』以上!!

テロリスト集団のリーダー兼監督を務めるのは最近すっかり落ち着いてしまったスティーヴン・ドーフ!当時はヤンチャで、ディカプリオより先に『タイタニック』のオファーを受けるも「自分に合わない」という理由で拒否!その後、ヤバそうな映画ばっかりに出演。まさにこの映画の役柄のような映画思想とも言えます。
ちなみに当時の僕は好きな俳優と言えば[ブルース・キャンベル]と[スティーヴン・ドーフ]と答えてました!!

そしてこのテロリスト集団はそれぞれ好きな監督のタトゥーを入れてドヤ顔で見せつけてくるのですが…当時無知だった僕は[スパイク・リー]ぐらいしか分からず、かろうじて[デヴィッド・リンチ]の名前くらいは…程度の知識でした!!が長い年月をかけて見直してみると[アンディ・ウォーホル][ハーシェル・ゴードン・ルイス][ペドロ・アルモドバル][サミュエル・フラー][ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー]マジで僕も好きな監督達になってる事が嬉しい!!

ちなみに指名手配となって警察、映画委員会、双方から追われるのですが逃げ込む場所が[カンフー映画館]と[ポルノ映画館]というのも今の自分の柱になってる部分なので心に刺さります!ここの観客たちはスティーヴン・ドーフを支持派なのである!!

さらに映画が完成するまでは禁欲というルールが設けられるんですが…当時の印象としては「禁欲を解禁したいがために映画の完成を急いでる」ように映ってたんですが…その解釈はあまりにも若すぎました。。。これほど情熱的で狂気でバカっぽい映画はなかなかないでしょう!!



えー、こんなアツイ事ばかり言ってますが…
ジョン・ウォーターズ監督のジョニー・デップ主演『クライ・ベイビー(コレも超名作)』はシネコンで流れたメジャー映画らしいですし
ワタクシもTOHOシネマズのマイレージが3度目のフリーパスを獲得しようとしています。。

◆2001年マイベスト2位◆