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ヴィレッジのNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィレッジ(2004年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

2021/8/15鑑賞。79点。


〈あらすじ・ネタバレあり〉
1897年、アメリカの小さな村。
禁断の森の向こうには【語ってはならぬ者】と呼ばれる大きな爪を持った怪物が存在すると言われており、村人は限られた範囲での生活を強いられていた。

キティ・ウォーカーは、かねてより想いを寄せていたルシアス・ハントに愛を告白し、プロポーズする。だが、ルシアスはキティのプロポーズを拒否する。彼は、キティの妹で盲目のアイヴィーに好意を寄せていたのだ。

ある日、軽度の知的障害を持つノア・パーシーは、友人であるアイヴィーとルシアスと一緒に森へ行く。【語ってはならぬ者】を引き寄せる【不吉な色(=赤色)の木の実】をノアが取ってくるが、彼は襲われなかった。

ルシアスは、【語ってはならぬ者】は敵意のない者を襲わないのでは、と仮説を立てて村長に村を出て隣町へ行く相談をする。

夜。アイヴィーとノアがかくれんぼをしていると、ルシアスが訪ねる。
ルシアスが隣町へ行きたいのは、人の命を救う薬を調達したいから。ルシアスは、薬が村に無いせいで、命を落とす幼い子供がいることに心を痛めていた。

【語ってはならぬ者】が現れると鳴る鐘が村に響く。アイヴィーは、ルシアスがまだ外にいることを察してドアの前に立つ。
ルシアスはアイヴィーの手を取って家に入ると、ドアを閉め地下室に隠れる。
地下室に潜っても、ルシアスはアイヴィーの手をしっかりと握り続ける。
【語ってはならない者】は、警告のメッセージを残して消え去る。

ルシアスは、「【語ってはならぬ者】が襲ってきた日の昼、境界線を超えて【語ってはならない者】が潜む森に入った。その時に、【語ってはならぬ者】に姿を見られたんだ」と、村人たちの前で告白する。
アイヴィーの父で村長・エドワードは、ルシアスの勇気を認め、彼を赦す。

キティはルシアスに降られた後、シャツのシワを極端に気にする青年と結婚することに決める。
結婚式が開かれ、村人総勢で祝う。
そんな中、2人の子供が【語ってはならぬ者】を目撃する。

ルシアスが帰宅すると、家の玄関には、皮を剥がされた家畜が吊らされていた。
ルシアスは、アイヴィーには声をかけず、彼女の家のポーチに腰かける。
アイヴィーは、なぜいつも自分の気持ちを話そうとしないのか?と尋ねる。
ルシアスは、「君のことを愛してる。でも言葉を連ねる意味がわからない。いつでも君のそばに聞いて守りたいと思ってる。だから、毎晩このポーチに来てるんだ」と想いを明かす。
2人は結婚を決める。

翌朝には、アイヴィーとルシアスが結婚する話が村中に広まる。
ノアがルシアスを訪ねる。
ルシアスは、「君がアイヴィーを愛してることは知ってる。でも、愛には色々な形があるんだ」。そう言葉をかけていると、ノアに刺されるルシアス。

アイヴィーが重傷を負ったルシアスを見つけ、エドワードは村人と一緒に彼を運ぶ。
医師・ヴィクターは、ルシアスが感染症を起こしていることを明かす。感染症さえ治すことができれば、どうにかルシアスを元気にできるかもしれないとも。

ノアの両親は、息子がルシアスを刺したことを知りエドワードに報告。
ノアは軟禁され、アイヴィーは彼に会いに行くと何度もぶつ。

アイヴィーは「愛するルシアスのために【語ってはならぬ者】がいる森を通り抜けて、町まで行って薬を取りに行きたい」とエドワードに相談。

エドワードは年長者たちに相談せず、アイヴィーに村の秘密を明かす許可をもらう。

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【語ってはならぬ者】は、年長者たちが扮装した姿で実在しない。
エドワードの父は森の向こうの町で暮らしており、町一番の金持ちだった。しかし、人を見る目がなく、頭を撃ち抜かれて殺された。
争いのない理想郷を作るため、かつての町の住人たちは移動して、その村を作り上げたのだった。
そのため、この村の存在を外部に知られることは避けるには、【語ってはならぬ者】を信じ込ませるのが一番だと考えたのだ。
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秘密を知ったアイヴィーは、森を抜ける覚悟を決める。
村の若者・フィットとクリストフが同行するが、2人は【語ってはならぬ者】の存在を信じているので、途中でリタイアする。

目が見えないアイヴィーが進む道は険しいものだ。
アイヴィーは、存在しないはずの【語ってはならぬ者】に襲われれ、走って逃げる。
アイヴィーは、自分が落ちかけた大きな穴の前で待ち伏せ。【語ってはならぬ者】は罠にハマって穴に落ちる。
【語ってはならぬ者】の正体は、ノアだった。ノアは、自宅の地下に隠されていた【語ってはならぬ者】の衣装を見つけ、アイヴィーを追ってきたのだった。
ノアは、穴の中で絶命する。

アイヴィーが進んでいくと、そこは現代のアメリカだった。
実は、アイヴィーら村人が生きているのは1897年でなく現代のアメリカ。
エドワードは、大富豪だった父の遺産と力を使ってアメリカ政府に自然保護区を作らせ、その自然保護区の中に村を生み出したのだ。

アイヴィーは保護区の管理員の青年に頼んで、ルシアスの手当てに必要な薬をこっそり持ってきてもらう。
管理員の青年は、先輩から「詮索はするなよ。言われた通りにやればいいんだ」と釘を刺される。

村に戻ってきたアイヴィーは、【語ってはならぬ者】を殺して、薬を手に入れたと報告。
エドワードは、「ノアは【語ってはならぬ者】に殺されたことにしよう」と年長者たちに納得させる。
皮肉にも、ノアの死によって【語ってはならぬ者】が誕生してしまった。

エドワードは大切にしまっておいた箱を取り出す。その中には、いくつもの新聞記事が入っていた。
それらの記事は、年長者たちの家族が殺された事件のものだった。
自分たちが現代のアメリカを生きている事実は、年長者たちのみが知り、子どもたちの世代には伝えられることはない。
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