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プライドのodyssのレビュー・感想・評価

プライド(2008年製作の映画)
4.0
【少女マンガのテイスト】

面白かった。現実離れした設定がかえってフィクションに徹した展開を可能にしていて、2時間映画世界のなかに浸りきることができました。

裕福な育ちのお嬢様と家庭的・経済的に恵まれない環境で育った少女が、いずれも音大に通い、音楽やオペラという同じ舞台の上で火花を散らすというのは、いかにも少女マンガチックな設定です。

私は原作は読んでいないのですが、ステファニーと満島ひかりというキャスティングも絶妙で、ステファニーはハーフだけあってどこかゆったりした上品さが上流階級の鷹揚さをうまく表現し得ていますし、満島ひかりも――私個人の容姿の好みだと彼女のほうを買いますが――最初は清掃のバイトで登場し、必死にはい上がろうとするキャラクターを見事に演じています。

女同士のバトルって少女マンガに適した素材なのかも知れませんが、こうしてみると映画にだってマッチしているじゃないかと言いたくなりますね。

歌のシーンでは、”スーパースター”をデュエットするところが良かった。この曲、個人的にもむかし愛聴したので思い入れがあります。ただし、レオン・ラッセルじゃなくカーペンターズで聴いたのですが。

脇を固める由紀さおりや高島礼子、渡辺大や及川光博もぴったり。是非続編を作ってほしいところです。
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