Automne

元祖大四畳半大物語のAutomneのレビュー・感想・評価

元祖大四畳半大物語(1980年製作の映画)
1.0
結構見ててきつかったかも。松本零士さんは銀河鉄道の人、くらいの認識でいたのだけど、童貞っぽい主人公がなぜか田舎から東京出てきてめちゃくちゃにモテる。努力は特に何もしていなくて、自分の魅力をあげることはしていないのにモテる。
それはひと昔前のラブコメ漫画に近い、男に都合の良くて容姿抜群な女しか出てこないという“The 昭和”な臭さが生理的にきつかった。

おじさん世代がSNSで叩かれがちだけど、小さい頃からこういう価値観でこういうものを見ていたら、男尊女卑的男根主義に支配されてしまうんだなあと見ていて悲しくなった。
こういうのめっちゃ気持ち悪くて苦手なんです、という話を一緒に観に行った方にしたら、銀河鉄道のメーテルも、そういう松本零士の母性、女に対する都合の良い欲求の具現化だよって話されてとても納得した。

全体的にそういう臭さが漂っていていて本当に無理だった。この時代に上映しようとなんで思ったの?ってレベル。別にそういう要素があったとしても良い作品というものはもちろんあるし、良い作品だったら許せるのだけれど、やはり主人公がなよなよ泣きじゃくって努力もせず一向に頑張らないし苦労もしていないので、共感できるところが全くない(たぶん頑張らなくても、努力もせず魅力を磨こうとしなくても、一方的に自分に都合の良い可愛い女性に愛されたいという人々には共感できるのかもしれないが)。

物語自体も何があるということもなく、下宿のドタバタ見るなら『めぞん一刻』みたほうが10000000000倍まし。松本零士がでしゃばって監督もやって、それでこの出来なの?って思えるくらいに歴史に(悪い意味で)のこる駄作です。
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