まじかよ、これ実話かよ
【ゾンビが喋ってなぜ悪い】
ダンオバノン監督による80年代ゾンビ映画。ダンオバノンといえば初代「エイリアン」の脚本を務めた方で、やはりモンスター×密室による緊迫感はとても達者である。初監督にもかかわらず画面から繰り出される衝撃には鋭さがあり、斬新なアイデアと、それに見合う基盤にも優れている。
なにせ私はゾンビ映画なんかまるで疎いので、それこそ当時の人と負けないくらいの衝撃を受けた自信がある。ユーモアとグロテスクを相生させたゾンビのデザインがありつつ、スリラーには鮮烈さがあり、胡散臭いユーモアにも弁えがある。
ふざけすぎてもいけないし、かといって真剣になりすぎてもいけない。ゾンビ映画のそのギリギリの尺度をこの映画は完全に掌握している。
ていうかゾンビの無敵っぷりよ。意識があるのがやべーし、ふつーに走るし、ロメロらしい弱点もないのだから、なんともありがた迷惑に尽きる。
しかしそれをことごとく粉砕する最後よ…センスの塊でしかないだろ。
【赤毛のやべー姉ちゃんを推すまとめ】
赤毛のやべー姉ちゃんが好きです(唐突)。突き抜けた狂いっぷりで作品のクレイジー加減を底上げしつつ、歩く死亡フラグとして痛快に導入を飾ってくれる。ゾンビ映画史(にわか)に残る最高のキャラクターに出会えた。
だけどな、あんだけ死亡フラグムンムンならもっと痛快に殺すべきだろう。いつ死ぬのか楽しみにしてただけに、意外にスルッと死んでがっくり峠。