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家路のUのネタバレレビュー・内容・結末

家路(2001年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2019.7.3 DVD #146

主人公である老人の、事故で妻と娘夫婦を一挙に失ってしまったことに対するリアクションや孤独な生活を雄弁に語る身ぶりを直接的には映さない。

そのような劇的な要素の排除の上に成り立つ本作は、あくまで演じる人間である老人の日常を繰り返し描く(カフェの決まった席で新聞を読んだり、寝起きに孫の登校を見送ったり)。

喪失の体験に直面してかれが本当に悲しいのかどうかは判らない。仮に悲しんでいる姿を見ても、どうしてもそれは演技なのではないかという風に見えてしまうはず(オリヴェイラは、老人が、孫の登校を見送った後に写真を見る場面を逆光で捉え、表情が見えないように演出する)。
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