tacky

メル・ブルックス/新サイコのtackyのレビュー・感想・評価

4.0
「サイレントムービー」で無声映画を、「ヤングフランケンシュタイン」でホラーをパロディとして制作して、その映画愛をコメディに込めて発表し続けるメル・ブルックス。
彼がヒッチのパロディとして制作したこの作品にも、ヒッチに対する敬愛に溢れている。

話だけでなく、
「ヒッチシャドー」や、俯瞰や、引きや、寄りや、ガラス越しのショット。
不安な気分にさせる音楽。
実際の作品と同じロケ地の場所でのシーン。(「めまい」のゴールデン・ゲート・ブリッジのシーン)
有名なシャワーシーンの細かい再現。
などなど、細かい所まで行き届いている。

ただ、ソール・バスのような、凝ったタイトルバックにして欲しかった事。
ギャグがストレートすぎる事。
ヒロインが、ブロンドなのは及第点だが、骨太な事。
ハラハラドキドキ感が少ない事。
乗り物が出てこない事。
などなどいろいろあるが、ここまで似せるのは、素晴らしいと思う。

パロディの内容は、ヒッチの作品を挙げるとキリがないほど沢山なので表記しないが、ヒッチファンで無くても、普通にコメディ映画としても、面白いと思う。
メル・ブルックスはもっと評価されるべき監督だと思う。

最後に、本家と同じく、ちゃんとヒッチのそっくりさんを、本編内にカメオ出演させているところも感心した。
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