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がめつい奴のkurageのレビュー・感想・評価

がめつい奴(1960年製作の映画)
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戦後の大阪・釜ヶ崎。ドヤ街の道路を人形を抱えたじゃりン子チエ(中山千夏)が斜め横断したため、往来する車が正面衝突。
逃げたチエ(役名はテコ)が皆に「事故やでえ」と知らせると大人たちが一斉に工具を持って事故現場に行く。何をするかといえば、怪我をした運転手を病院に運び、自分たちは車を解体して逃げる。
チエはその間、がめつい婆さんと一緒に皆の米袋を破いてばら撒き、自分たちのご飯用に塵取りで集める。
冒頭から、事故現場にどやどやと湧くように現れる人間たちに、戦後、高度成長期を迎える日本のエネルギーのようなものを感じた。
人間のがめつさの大渋滞。

地主の姉妹、ロシア人ハーフの占い師とその夫、がめつい婆さんと息子の関係性の変化が面白い。婆ちゃんとテコがたくましく生きのびていく姿が目に焼きついた&何故か終始口の中が酸っぱかった。
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