だめ、全然だめ。
ハンセン病患者の隔離という、非科学的な国家政策の犠牲となった人の悲劇を描こうとしたものなのだろうが、残念ながら視点がぼけてしまい、何が描きたかったのかがよくわからない作品となってしまっています。
ジャズトランぺッターだった男性が、あこがれの舞台に立とうとした直前にハンセン病となり、療養施設に隔離されます。
流れた年月は長くとも、完治して施設を出た彼は、かつての仲間を訪ね歩き、もう一度セッションをする…という展開なのですが、あまりに展開が不自然で、見ていてイライラしてきました。
社会性のあるテーマのある作品がかならずしも良作とは限らないという典型でしょうか。
らい予防法の問題点を告発したものなのか、ハンセン病患者に対する差別問題を啓発したものか、はたまたジャズメンの友情を描こうとしたものなのか、とにかく焦点が定まっていません。
財津一郎や犬塚弘など、往年の芸達者を起用しておきながらこの体たらく
何人かのレビューアーさんも書いているとおり、ハンセン病の描き方もあまりにいい加減。
もっと真剣に取り組めよ! と喝を入れたくなりました。
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