貝

花ひらく 眞知子よりの貝のレビュー・感想・評価

花ひらく 眞知子より(1948年製作の映画)
3.0
何なのこのホラーテイスト。。アトリエとキチガイ病院と何より関さん(上原謙)ただのオバケやん。

この時代の恋愛には恋をすると、見つめてからの俯いて黙るという何ともわかりにくい愛情表現があるようで、中盤の「貴方が仰ることなら何でも従うわ!」「僕も初めて会った時から貴方が好きだった!(お姫様抱っこ)」の舞台演劇ばりのアクションを見るまで彼らが惹かれあっていたことに一ミリも気付けなかったのでした。難しいなあ。
左翼運動やこの時代の女性の立ち場などの時代背景を絡ませることで、(それと謎のホラーテイストによって)ただのメロドラマで終わらないおもしろい作品でした。眞知子さん(高峰秀子)なんか、やっぱりどう足掻いてもいいとこのお嬢様で、関さんに惹かれたことなんて完全に若気の至りでしかなかった。ちゃっかりカネモの河井さんのこと気になって電話してもうてるし!

関さんと河井さん(藤田進)が並ぶとほんまにただのキツネとタヌキ。愉快。
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