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イタリア式離婚狂想曲のkojikojiのレビュー・感想・評価

イタリア式離婚狂想曲(1961年製作の映画)
3.6
マルチェロ・マストロヤンニの職人芸を観る思い、チャップリンに通じる演技を見せられる。さすがイタリアを代表する俳優だ。こんな時こんな表情!それが絶妙で笑う。上手いと思う。

#1375 2023年 410本目
1961年 イタリア🇮🇹映画
監督: ピエトロ・ジェルミ
 「鉄道員」「刑事」の監督。
音楽: カルロ・ルスティケッリ
原作: A Crime of Honor

 法律で離婚が禁じられているカトリック教国イタリアのシチリア。
 社会的矛盾を痛烈に皮肉ったコメディ。シチリアの没落貴族フェルディナンド(マストロヤンニ)は、連れ添って12年になる妻に飽き飽きし、17才の従妹(サンドレッリ)と恋仲になるが、妻と死別するほか再婚の望みはない。
 あの手、この手と妻を殺す算段を立てるが、なかなかいい案が浮かばない。そんな時、思いもよらぬ好機が訪れるのだが…

イタリア🇮🇹は戦後ネオレアリズモが一大潮流となるが、その後軽いタッチの映画がもてはやされる。それが「イタリア式コメディ」でこの作品はその代表作の一つだ。

 マストロヤンニが思いを寄せるがサンドレッリ演じる従妹アンジェラ。この絡みはどのシーンも面白いが、特にアンジェラの父の葬儀でマストロヤンニが他の参列者にキスの挨拶をしながら、アンジェラとチャンスを見つけてはキスしようとする。その表情がとにかく可笑しい!😆😆

 コメディではあるのだが、妻ロザリオ役のダニエラ・ロッカがあまりに可哀想。眉はほとんど繋がるぐらいのにされ、おまけに髭は生えているのと変わらないぐらいに濃くしていて、見ただけでお笑いだ。毎夜彼に迫るが、彼は全く相手にしない。そんな妻役をし演じながら嫌にならなかったのだろうかとこちらが心配するぐらい酷い扱いだ。


 
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