氷雨水葵

顔のないスパイの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

顔のないスパイ(2011年製作の映画)
2.8
2023年3本目

未鑑賞作品をたくさん観るぞーーー

◆あらすじ
ある事件をきっかけに、死んだと思われていたソ連の伝説のスパイ’’カシウス’’の名が浮上する。

招集されたのは、以前カシウスの追跡をしていた元CIAエージェントのポール(リチャード・ギア)。

そして、FBIの若手捜査官ベン(トファー・グレイス)だったが―――。

◆感想
2023年の目標は「未鑑賞作品をたくさん観る」なので、前々から観たいと思っていた本作を初鑑賞。原題『THE DOUBLE』で誰がカシウスかわかってしまったものの、トファー・グレイス演じるベンの正体には驚かされました。いろんな意味でTHE DOUBLEでした!しかも、割と序盤でカシウスの正体が明かされ、正体を知ってからも面白いというのは、なかなかない脚本だと思います。ただ、結構スピーディーに事が進むので、集中してよく考えながら観ないと人間関係や状況が掴みにくいかも…。

自分には絶対二重スパイなんて絶対無理だけど、こういうスパイ物は見ててなんとなく憧れますね(笑)

スパイ映画らしくドキドキできるシーンはいくつかありますが、ドラマパートも割と多いので序盤・中盤・終盤に退屈な部分が多々。
でも、ポールとベンの両者に、たまに狂暴な一面が垣間見えるのは面白かったです。お互いの正体がいつバレるのかとハラハラできますし、ベンにいたってはカシウスへの執念すら感じます。でも、どこか余裕があって、逆にそれが視聴者に「あれ?この人もしかして…」と思わせる要因になっていて、展開が読みやすいという結果に。
正直リチャード・ギアの映画って『プリティ・ウーマン』くらいしか観たことがないので、演技云々のことは言えませんが、もうちょい悪役らしい演技を見せてほしかったところ。そしたら、トファー・グレイスとバランス取れてたかも。
とはいえ、点と点が繋がって線になる過程は観ていて面白いし、シリアスシーンはスパイ映画の見どころ。掟を破って家族を作って殺されるというのもスパイ映画の王道っぽい。ただ、最後があっけなかった印象…。
同じ監督だけど『ウォンテッド』のほうが面白かったなぁ~まぁあれはスパイ物ではないのだけれど。監督最新作の『スクランブル』もイマイチだったし、良し悪しの差があるのかな。
氷雨水葵

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