このレビューはネタバレを含みます
集中的にタイムトラベルモノを観ていて出会いました。面白いです。
ただし「ある日どこかで」もそうですが、「過去振り返りストーリー」って男性的な思考ですよね。女性の場合は過去を振り返らず「今に生きる」思考の方が多いですから。
この映画は冷静に見ると天真爛漫で常に前向きで魅力的なキャラクラー。ケイト役のティア・レオーニの存在なかりせばと気付きます。
工夫されているのは「もしもの世界」での自分の事をいつものパパと様子が違うことにカンで気付いた娘のアニーがジャックに「もしもの世界のパパ」の事を教えてくれるところ。これでかなり助かる事になります。
また、「もしもの世界」からなんとか「現実の世界」にピーターとの出逢いから繋げようと試みるところ。
しかし「べき論」の強いジャックは出世と経済力こそが幸福と信じ切っているもののケイトはその考えに異を唱えます。
この映画の面白いところはここで、「どちらが幸福か?」と両極端に比較せず「もしもの世界」から「現実の世界」への橋渡しを用意する点。
実はこの両世界は「世間的な幸福」と「成し遂げる目的を持つ幸福」であり「価値観」として前者は追うべきものではありません。
それは誰でも叶えることが可能だからです。また後者を追うことで前者もついてくるものではないでしょうか。
恋愛ストーリーとタイムトラベルはあまりにも相性が良いのですが「もしも」がない方が結論として人は幸せになれると思います。相対的価値観では真の幸福には到達出来ませんから
あまり触れられていないようですが、ピーターとミンツを前に「ビジネスの価値は扱う金額の大小ではない」とジャックが述べるところは大きなポイントです。
彼を「もしもの世界」に送りこんだ謎の男キャッシュ・マネーはこの場面をほくそ笑みながら眺めていた事でしょう。
彼に欠けていたのはそこだったのです。
ところで、この映画完全に「ジャックの夢話」である可能性もあります。キャッシュ・マネーは確かに引っかかる言葉を残してはいますが。現実へ戻って一度も彼は姿を見せていませんよね。。。
また「家族がいる事が最も幸せ」的な部分はアメリカ人の特徴的な押し付けにも感じます。