三木聡監督の、いつも通りな小ネタ満載コメディ映画。
つまらない主婦生活を送る平凡な主婦が主人公。
彼女は偶然に『スパイ募集』という胡散臭さと刺激的な予感のする求人広告を目にする。
いざ記載された住所へ赴くと、そこにはやや個性的だが普通の夫婦が住んでいた。
彼らは某国のスパイであるらしく、『来るべきいつか』のために仲間を増やしつつ、現地に溶け込み生活している。
そして、平凡が取り柄であるとされた主人公は合格。
晴れてスパイとなる。
だが、与えられたミッションは来るべきいつかに備えて普通に目立たずに生活すること。
これまでつまらない平凡な生活を送っていたはずなのに、そこに義務が発生した途端、平凡が困難になる主人公。
そんな前途多難な様を見守る雇い主の夫婦。ちなみに彼らも彼らでお目付け役を全うするあまりにだいぶ目立ってしまう。
そんな脱力感しかない状況の中、予見されていた来るべきいつかはすぐそこまで迫る。
ただの主婦がスパイになる映画だが、いわゆるスパイ映画ではない。もう一度記すがコメディ映画である。
