お洒落な話のオムニバス。よくできたシナリオ、豪華な配役、凝った技法の作りの良作です。
スリル、お笑い、お洒落、感動とそれぞれに狙いを絞ったショートショートを、夜会服が繋いでゆく構成も見事です。
最後のエピソード、落ちとしてはほとんど完璧です。
個人主義と皮層な白人ばかりのニューヨークと対比して、それまでの全ての話を相対化してみせます。
夜会服はニューヨークの中心を動き回ります。
ところが最後はマンハッタンを遠く離れた農村に、夜会服は落下します。それも同じ国とは思えないほどの貧困地帯(現実だったのでしょうね)です。
夜会服はカカシとなって丘の上に立って、映画は終わります。
とてもよくできてるけど、なんとも引っかかるエンディングです。
マンハッタンと対比して、素朴で信心深い黒人共同体が賛美されてますが、その描き方は、白人インテリの想像の産物に見えました。
当時の黒人にはどう映ったのか、今日ではどう映るのか、きいてみたいです。