KnightsofOdessa

灰とダイヤモンドのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
4.0
[] 80点

アンジェイ・ワイダの代表作。まさかの一夜もの。原作は共産党書記シュチューカが主人公だが、映画版では脇役だったパルチザン青年マチェクを主人公としている。終戦間際の田舎町の町外れの道で、シュチューカを暗殺しようとするも失敗した三人のパルチザン。アンジェイとマチェクは長らく亡命政府の下で対独パルチザンとして戦ってきたが、終戦を迎えた上に無関係な人物を暗殺して大義に思い悩む。二人を手引した町長秘書は町長の栄転を知って付いていこうとするが、酒で失敗して失脚する。シュチューカはシュチューカで行方不明になった一人息子を探している(後にパルチザンに加わっていたことが分かる)。それぞれの挿話を同時並行で描いているので前半は鈍重だが、後半でエンジンがかかり始める。燃えるショットグラス、逆さ吊りのキリスト像、突如登場する白馬、暗殺と死体と花火、白いシーツ、ゴミ山での死など、名場面の連続となる。"灰とダイヤモンド"はパルチザン活動或いは反政府活動の末に死んでいった人々の先にダイヤモンドが輝いていることを示している。当局はラストでマチェクが殺されるのを観て"反政府運動が無駄であることを示している"と大喜びだったらしい。彼らの目が節穴で助かった。
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