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灰とダイヤモンドのSIのレビュー・感想・評価

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
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2023.9.2
れんが屋にて鑑賞

1945年ドイツ降伏直後のポーランド。国内軍残党である主人公は、自分たちを裏切った赤軍書記官暗殺の任務を遂行する中で、良心や恋心に苛まれる。

戦争の動乱の中で、"大義"に命を散らしていく名もなき兵士たち。そのあとに残るは、灰(遺骸)かダイヤモンド(功績)か。いや、その灰こそダイヤモンドなのだ、という兵士の抑圧された人間性を取り上げた作品。
ポーランドの歴史的背景を鋭く理解している観客たちは涙が止まらなかっただろう。

後半からは逆さキリストであったり大量のはためく白いシーツであったり画の美しさも際立つ。

『松明(たいまつ)のごとくわれの身より火花の飛び散るとき
われ知らずや、わが身を焦がしつつ自由の身となれるを
もてるものは失わるべきさだめにあるを
残るはただ灰と、嵐のごとく深淵におちゆく混迷のみなるを
永遠の勝利の暁に、灰の底深く燦然たるダイヤモンドの残らんことを』
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