うちだ

灰とダイヤモンドのうちだのネタバレレビュー・内容・結末

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

めちゃ政治的な内容なのにスッと入り込めた。
紅の豚を観たときみたいな感情になった。戦後に残された人々の話っていうのが効いてるのかも。

メインの二人の、つかの間の平穏みたいな雰囲気が良い。一瞬だけど永遠であるかのような。

みんな祖国に対して懐古と虚しさを抱いているのが印象的だった。戦時中に共に戦った人々がいたときは楽しかったっていうのはかなりキツイ話だった

ポーランドって何百年に渡って何度も侵略されて独立を奪われたのをみると、本当に不運な国だと思う。そんな国だからこそ作ることができた映画だと感じるな。



2024 5/5 再鑑賞
2回目に観るとまるで目線が変わってくる。
1回目はマチェクに同情していたのに、今回はシュチューカに同情してしまう。かつての仲間たちは戦死し、妻も殺され、息子は自分とは全く逆の勢力に志願している。それでも自分の思う祖国独立には今いる道を進み続けるしかない。
米国産タバコを好むのは、共産主義なんてハナから信奉しておらず、祖国解放のためにソ連に従うフリをしていること、もしくは反共の連中との考えの違いのわかりやすい暗示なのだろうか。

なんか紅の豚のような雰囲気を以前から感じてたけど、宮崎駿が好きな映画のひとつだったんだね。主人公がグラサンかけてキザな振る舞いをするけど、どこかコミカル、みたいなところがそっくり。
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