ひでG

雷桜のひでGのレビュー・感想・評価

雷桜(2010年製作の映画)
2.9
全てに中途半端な映画。

中身の問題は後述するとして、まずは主演の二人。

まずは蒼井優。昨年度の主演賞ほぼ独占!「フラガール」を観た時、
「この女優さんは日本映画を背負って立つ!」と予感したけど、
よーやく12年経っての受賞おめでとう🎈
受賞作は未見だが、
蒼井優の持つ狂気性が出てるのかなと期待している。

この間、「百万円」のような良作出演や舞台経験もあったが、正直作品には恵まれておらず、脇で頑張った時期もあった。
でも、同世代女優さんに比べて、「突き抜ける感」はダントツだと思うので、ぜひ、思い切った役で日本映画をリードしていってほしい。

本作では激しい役だが、まだこの当時はそれが空回りしていて、そんなに良くないが、、

岡田将生。もちろん全部をチェックしてるわけではないけど、まだ殻を破れていない男優さんのひとり。

「何者」やテレビの「ゆとり」などではなかなか光っていたが、まずは彼のキレイなお顔から脱する役をこなさないと!

本作でも、まあ演出その他のせいもあるけど、
とても「狂気の、苦悩の若殿さま」には見えない。
第一、江戸時代の人に見えない。
薄っぺらさが際立ってしまう。

さて、作品自体には、ほとんど褒めるところがない。

まず持って、全てが中途半端。
「時代劇なの?」て、まず思う。

時代劇風に作っているのに、ところどころに「現代風」な演出がかぶさる。
例えば馬で疾走する二人。
完全な現代劇、今の若い二人がカツラと着物着てるだけにしか見えない。

それに「リアリティ求めてるの?」て疑問も離れない。

身分による悲恋なんだけど、
反対にこれだけ身分が離れてたら、やり方どうにでもなるんじゃない?て、思いますよね?

蒼井優の生い立ちのミフテリアスな部分も、

身分が違う二人が出会えて、恋まで発展するのかっていう部分、

岡田将生の母親との葛藤の部分、

ボールだけ投げ込んで、
30分ぐらいで、主催者がそのボール集めだしたアトラクションみたい?😀

観客のやることを作り手が全部奪ってしまうような、
なんとも、半端な感じ。

だなら誰が死のうが、運命に翻弄されようが、全部上滑りな、残念な出来でした(・_・;
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