前半ヤスも銀ちゃんもなんだかすごく嫌なやつだし、映画自体のノリにも付いていけなかったのに、中盤結婚式のシーンあたりから、突飛なのに疾走感があって、気持ち悪くて、かっこよくて、一本の映画でこんなに上がり下がりが激しいのか。唖然。驚き。
そのコミカルな演出達と階段落ちへ向かっていくうちに増えていくシリアスなシークエンスの対比が最高だったな。
あのヤスの死をチラつかせる狂気の演技がゾッとしたし、鏡越しのあの眼差しが本当に怖かった。
ヤスと銀ちゃんの終盤の視線の交わし合い、関係が交差してから戻る感じ。そしてその舞台が階段であること。いろいろな角度からのショットやタバコの火に波にのまれる感覚に陥る。
最初のあのおとぼけテンションからは考えられないほど重厚な雰囲気を作ってしまうのがすごい、そしてそれが映画なのかと納得してしまうラスト、楽しかったに尽きる!