鷲尾翼

狂い咲きサンダーロードの鷲尾翼のレビュー・感想・評価

狂い咲きサンダーロード(1980年製作の映画)
4.5
【まとめシネマ】#818

【まとめ】
* 唯一無二のSF暴走アクション!
* 最高に狂っている無双バトル
* 今日も誰かを、狂い咲きに

本作は、当時22歳の石井聰亙(現:石井岳龍)監督が、日本大学藝術学部在籍中に卒業作品として制作したインディーズ映画。

本作に描かれていることは、唯一無二だ。
舞台は近未来、幻の街・サンダーロードでの暴走族の戦いを描いた物語だが、正直ジャンルなんてものはない。あらゆる要素を混ぜ込んだ謎の物体を見ているような異様な作品だが、どの作品にも描けない唯一無二のジャンルを生み出している。ちなみに本作には「ロックンロール・ウルトラバイオレンス・ダイナマイト・ヘビーメタル・スーパームービー」というヘンテコなコピーがある。これが本作を表す最高のキャッチコピーだ。

裏切りや孤独の末、山田辰夫演じる仁は、漆黒のバトルスーツを着て孤独の最終決戦を仕掛ける。戦う者を狂わせ、見るものを狂わせる仁の無双バトルは、最高に狂っている。そして、死闘の末の最高のラストは『トップガン マーヴェリック』に匹敵する素晴らしさが待っている。

本作は、北野武(ビートたけし)をはじめ、多くの人に強烈な影響力を与えている。僕もそのひとりで、きっとこれからの人生に欠かせない存在になるだろう。泉谷しげるが手掛ける最高の音楽と石井聰亙が手掛ける最高の狂い咲きは、ヤバすぎる。

本作の愛する人物の一人、お笑い芸人の永野の公式YouTubeチャンネルでは解説動画を前編後編に分けて熱く語っている。これ以上熱く語り、作品を愛する人はいないと思うのでオススメです。
鷲尾翼

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