このレビューはネタバレを含みます
壮大な地球史と同等の存在感を残す父親の記憶。主人公にとって、いかに父という存在が支配的だったか、ひしひしと伝わってきた。
美しい138億年間の光景から、連続的に主人公の誕生へと繋がっていくという、生命の神秘性を感じさせる展開であるため、尚更、父親が息子に対して行った行為の非道さ、残酷さが際立っていた。
『天国の日々』と比べてかなり編集のテンポも良く、また多くのシーンが(特に父親の権力と息子に及んだ悪影響を表すパートについて)強い意味をなしていて、今作の方が私にとって観やすいものだった。