Hipposky

美しき冒険旅行のHipposkyのレビュー・感想・評価

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)
3.0
25.2520

衝撃的な自殺から始まり、姉弟でオーストラリアの大地を彷徨う。そんな折、アボリジニーの青年と出会う。前半、廃屋を見つけるまでは観光PRというか、あからさまにオーストリアの自然や生き物をしつこく見せる。正直、この辺りは飽き飽きするのだが、廃屋を見つけ、青年が姉に対して恋心を持っていることが判明すると、俄然面白くなる。ここまで散々見せつけられていた姉弟のサバイバルが、青年側からの視点の物語に見えてくるのだ。彼は通過儀礼の途中とはいえ、明らかに優秀な若者。見事な投擲で獲物を仕留める。だが彼は白人たちが銃(文明)を使いいとも簡単に、大きな獲物を捕らえるのを目撃してしまう。
姉がこのまま西洋文明に戻って仕舞えば、自分には届かない存在になってしまう、そのため彼は求婚の舞を舞うのだ。

終盤、舗装された道と赤い大地の境目を越える瞬間、一抹の寂しさを感じてしまう。

もう戻れない青春の日、姉にとってもwalk out だったのだ。
Hipposky

Hipposky