勝沼悠

ゲット・オン・ザ・バスの勝沼悠のレビュー・感想・評価

ゲット・オン・ザ・バス(1996年製作の映画)
5.0
 ワシントンでの黒人大行進に参加する為に、バスでアメリカ横断をするロサンゼルスの黒人たちの話。

 一人一人の登場人物が生きてる。ギャングの隣の席に警官の人がいたりとか、手錠でつながった親子とか。何だこの人達は?って伏線があって、ストーリーをうまくつくってる。
 最後が本当にうまい。こういう終わらせ方があったかって感心。
 黒人の人達の視線の映画なんだけど、自分たちは被害者なんだとか、環境が悪いんだとか、そういうことを否定して、俺たちが変わらなければいけないんだ、という強いメッセージがこめられている感動作。こんなにメッセージ性が強い映画も珍しい。でもそれがちっとも説教くさくない(映画中実際に説教するのに)。そこがこの映画の最大の魅力だと思う。

 今の日本人にこそ強くみてほしい映画。
勝沼悠

勝沼悠