ぬ

ゲット・オン・ザ・バスのぬのレビュー・感想・評価

ゲット・オン・ザ・バス(1996年製作の映画)
4.2
UNEXTにしかないスパイク・リー作品をまとめて観ていました。面白かった。
『百万人大行進』という人種差別に対するデモ行進に参加するために、ワシントンDCを目指す長距離バスに乗り合わせた黒人男性たちのロードムービー。
"黒人男性"という共通点をのぞけば、行進に向かう目的、考え方、宗教、世代、性的指向、などさまざまな違いを持つ登場人物たちが織りなす会話劇が、非常に面白い。

ホモソーシャルな問題とか、人種や性別だけではない、もっと複雑なインターセクショナリティ的な問題について結構ズバッと描かれていて、スパイク・リーすげー、てなった。
「差別を受ける側でありながら、同時に、他の属性によって差別をする側でもある、という状態」をしっかり描いている。
この行進に女性が参加していないことに関していろいろ考えてみるけど、男性だけで集まって、語り合ったり、それぞれの物語を共有し合ったり、癒やし合ったり、連帯していく、というのはとても大切な場だと思う。

この映画に出てくる1995年の大行進、メンバーや教義などは変移していってはいるけど、マルコムXのいた組織、Nation Of Islamが主催したイベントだったようだから、『マルコムX』観てからみるべきだったなぁ。
(これから観る人いたら、『マルコムX』→『ゲット・オン・ザ・バス』の順番がおすすめ)
ぬ