東京キネマ

ダウトの東京キネマのレビュー・感想・評価

ダウト(2005年製作の映画)
2.7
なんかどうもとっちらかっちゃった感じでうまく乗れません。

先ず検事と検事補の関係があって、検事補とギャングの関係があって、人物不詳のダニーって黒幕が居て、これだけでもあっぷあっぷなのに、そこに警察と検事の軋轢とか、市長選とか人種問題とか絡んでるもんだから、もう何が何だか解りません。それもエンドのどんでん返しで何度も真犯人が覆されるもんだから、もう喰えるものなら何でも入れちゃえって感じの混ぜご飯状態です。

エンド・クレジットの締め方で、あ~そうなんだ、ハードボイルドがやりたかったんだ、というのは解りましたが、それだったら全然違う作り方しないとダメですよね。後味が悪過ぎです。

レイ・リオッタがエグゼクティブ・プロデューサーでクレジットされていますが、本来はこういった正統な演技派の芝居がやりたかったんでしょうね。変態役ばっかりじゃねえぞ、って意地なんでしょう。でもやっぱりレイ・リオッタって狂気の人ですよね。それも脇でやった方が遥かに光ります。『グッドフェローズ』のヘンリー・ヒル役とか『不法侵入』の警官役とか抜群に良かったし、どうしてもそういった役所を期待しちゃいます。だからこの映画のような立派な人格者ってのはねえ、どうもうまく喰えないんですよ。

この素材、もうちょっとシンプルに作り直した方がいいですよ。もの凄く面白いミステリーになるのになあ。リメイクした方がいいんじゃない?

それにしても毎度ながら日本の配給会社ってアホですね。映画のキモを題名で説明しちゃったらダメでしょうに。
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