たそがれ時に業務を終えて、すぐに家路につく姿から「たそがれ清兵衛」と陰口を言われる。
「ベルサッサ」、
「鐘と共に去りぬ」、
すぐ退社する気質の傾向は、会社からは白い目で見られていたが、最近になってようやく、仕事を早く終わらせて自分の時間を捻出する方が評価される考え方に変わって来たような気がします。
穏やかな性格のサムライの清兵衛。貧乏生活の苦労の中にある愛の物語。決して派手なストーリー展開では無く、じわじわ沁みるストーリー構成。
藤沢周平の小説であり、過去に本作品は読んだことは覚えているが内容は忘れていた。分厚く無い文庫本で、さらには幾つかの短編の中の一つの話だったと記憶している。
真田広之、静かな闘志が伝わる演出は見事。
宮沢りえ、女優路線に自信を持たせたと思える作品になったのではないだろうか。実に良かった。
田中泯、ただならぬ不気味な気迫を感じさせる存在感の演出がグッド。