清兵衛の娘視点でナレーション
清兵衛は自分の価値観を重んじており周りの評価にとらわれず娘を大切に思うことを何よりも重視している。
実は強いが勝ちを誇らない、家族と接する中で優しさを得て獣のような野蛮さを捨てた平士が暗殺の依頼を受けるかどうかという葛藤が面白い。
刀を分解して磨ぐシーン、髪を結うシーン、木の枝を刈るシーン、魚釣り中に土左衛門を見るシーン等、日々の細やかな描写も印象的だった。
自分が死んでも娘の面倒を見てもらえること、好きだった女性が既に縁談を受けた事を知った上で戦いに向かう際に侍として死ぬ理由になっていたのでこの後どうなるかハラハラした。
最後の戦いで清兵衛の甘さを垣間見た相手の眼付きの変わり方と異常な雰囲気を出すのが上手い。
そして死というのは誉れではなく大半は呆気ないものだというのが感じ取れた。
色は黒レベルを潰さず淡く70年代のようなフィルム感を出しており時代を感じさせるのに良い表現だ。