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たそがれ清兵衛のotomのレビュー・感想・評価

たそがれ清兵衛(2002年製作の映画)
5.0
公開時以来20年振り。武士、男はつらいよと幕末を飛び越え現代の日本のサラリーマンにも共感できる仕様にきっちり仕上げる流石な山田洋次。上昇志向の渦中において誠の幸せとは何ぞやって事で、同僚から嘲られる序盤からラストに至るまでの組み立てが見事。のみならず、『清兵衛さまの幼なじみの朋江でございます』の台詞で劇中一番切ないシーンを表現するところや、田中泯の鴨居をチラ見するお手本的なやつとか、さりげなく効果絶大ってのを次々と見せられる。で、たそがれ時を背景にド名曲な最後の陽水と云う、どう考えても手堅い流れの末に満たされた具合で終わる...でがんす。控えめな冨田勲劇伴も素晴らしい。
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