傑作時代劇。
時代は幕末、激動の明治維新前夜、
つつましく清々しく生きた侍がいたという物語です。
娘の回想という体で、ストーリーが展開していきます。
娘の心に響いた、父の行動や言葉は、日常の生活にもありました。
強い、賢い、謙虚、優しい。
そして、普段は軽んじられても、義のため、時に身を捨てて行動しなければならない。
日本人の理想像の一つが描写されます。
もちろん、アクションもかっこいい。
真田広之と田中泯の対決、
「待ってました!」とクラマックスに用意されてました。
宮沢りえとの恋愛も色どり添えてます。
エンタメとして、素晴らしい。
『たそがれ清兵衛』のヒット後、藤沢周平作品が続々映画化されていきますが、これが1番好きかも。
藤沢周平の一連の映画化作品で描かれるのは、組織やしがらみの中でもがきつつも、さわやかに生きよう(死のう)とする個人の姿です。
演出力、画格はさすがの山田洋次作品でした。