下級武士である清兵衛は妻を亡くし、2人の幼い娘と痴呆が進んだ母親と貧しいながらも幸せに暮らしていた。
そんな清兵衛に上意討ちの命が藩から下る。
藤沢周平原作、時代劇三部作の第一弾。
いわゆる侍とは少し外れているイメージ。だが一つ一つの所作が丁寧で、娘達や母親にも丁寧に接する姿が人物を思わせる。
とても優しく温かいものが感じられた。
武士として剣を忘れてしまいがちな生活を送っていても、剣の腕は確か。
下級武士の辛さや苦しさも描かれている。
人の幸せとは何か。
幸せを人に決められるものではない。
そんな事を思わせてくれる作品だった。
山田洋次監督作品