鎌倉の大船撮影所で現代劇を撮り続けてきた山田洋次ですから、初めて京都で時代劇を撮る、それだけでも大変な挑戦だったことでしょう。
メイキング見ましたが、初顔合わせのスタッフばかりの中、かなりガッツンガッツンやってましたね。
清兵衛と朋江であたためてゆく愛の行方は勿論ですが、映画初起用の田中泯と真田広之との真剣勝負は、山場を盛り上げるに相応しいみどころになっています。
“誰そ彼とわれをな問ひそながつきの露に濡れつつ君待つわれそ”
リアリティーを追究しながら、黄昏時の色合いはとても綺麗。
たそがれという言葉を通じて、大昔から日本語って、なんて表情豊かなんだろうとあらためて感心した次第です。