結局カレー

黒い家の結局カレーのレビュー・感想・評価

黒い家(1999年製作の映画)
2.8
自殺した息子の保険金をもらいにくる菰田夫婦。2人はどこか不気味で人間の心が通っていない、つまりは常識や倫理観が通用しない怖さを持っている。「人間じゃない感」と言うべきか。正面から対応していたはずが違和感が芽生えあるとき「あ、こいつまともじゃないぞ。」と気づく感じ、ゾッとする怖さ。

保険会社に勤める少し気弱だけど優しい人柄がうかがえる主人公のもとにかかってきた「自殺でも保険金はもらえるか?」という電話から数日後に起きたとある子供の自殺事件。話が進んでいくにつれ重徳や幸子の思考がわかってきて、あぁどんな気持ちで子供を育ててきたんだと絶望感がある。肩車してるの怖すぎ。ヤバい奴は重徳だと思っていたはずが、もう1人、いやそれ以上の奴がいた。西村雅彦はクセモノの役が上手いし、大竹しのぶは気がふれた人間の役が上手いよな。小学生の頃の作文でプロファイリングするの、そこ知れない人の闇に触れていくようでドキドキした。

演出について、それは無茶やろってツッコミも所々あるんだけど、ちゃんと怖かったからまぁよし。「乳しゃぶれ〜」は「ん??」ってなったけど。金目当てで保険会社に訪れてきてたはずなのに、次第に若槻への執念が募り命を狙う。サイコパスたちの目的が変わっていく様子はまるで次のターゲットに徐々に照準をあわるような行動で、ジワジワと怖さが募った。

また1人邦画界に残るサイコパスキャラを発見できました。