よーだ育休中

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

4.0
❯❯ with あちゃん
❯❯❯❯ 90's_animania

ー AYフィールド、全開。


人類の半数以上が犠牲となった大災害『セカンドインパクト』から15年。特務機関NERVの司令官である父に呼び出された少年「碇シンジ」は、特別非常事態宣言が発令された第三新東京市で『使徒』と呼ばれる異形を目撃する。驚くのも束の間、シンジは数年ぶりに再会した父から究極の人型汎用決戦兵器『人造人間エヴァンゲリオン』のパイロットとして使徒と戦うことを強いられる。


◆ 乗るなら早くしろ。でなければ、帰れ!

1995年のTV放送以降、その独特な世界観からセカイ系アニメの先駆けとして今なお根強い人気を誇る『新世紀エヴァンゲリオン』をリビルドしたのが『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』。今作『序』は、そのシリーズ第一作目であり、TV版の第三使徒サキエル(新劇場版では第四使徒)から第五使徒ラミエル(新劇場版では第六使徒)を掃討するまでのストーリーが足早に描かれています。『秘密結社ゼーレ』と『人類補完計画』の存在を匂わせながら、セントラルドグマ(アニメ版では更に深部のターミナルドグマ)に磔にされた『第二使徒リリス』や、タブハベース(月面基地)の『渚カヲル』。そして『生命の実と知恵の実』など、アニメ版では後半になって明かされた物語の核に迫る発言や描写も織り込まれていました。

エヴァは大学生の頃にアニメ版、旧劇、漫画版を必修科目として履修していましたが、さすがに10年近く経つとほとんど覚えていませんでした。残念な記憶力云々もありますが、ラストのグログロで鬱鬱なトラウマ量産作品としてのイメージがあまりにも強く残りすぎていたため、枝葉末節の部分(と言っては失礼かもしれませんが)メディアによる作品の細かい差異については混線して何がどれだったか分からなくなっています。

新劇場版についても『序』『破』『Q』までは当時鑑賞済(『Q』のみ劇場鑑賞)。改めて見返すと懐かしさは勿論ですが、映像の美しさに驚きました。CG技術が発達したことによって、セル画以上に精緻で滑らかな動きを表現することが可能となった背景美術は、新劇場版ならではの素晴らしい点であると思います。使徒専用迎撃要塞都市ならではのギミックの数々や、NERV本部(ジオフロント)の様子は間違いなくシリーズ随一のクオリティでした。

アニメ版や旧劇のような薄くて暗いトーンではなく、明るくクリアな映像で描かれていることも今作の特徴である様に感じます。足早に展開していくため、ジメジメした雰囲気を引き立たせる独特の『間』もカットされていました。そのため、従来の作品に色濃かった陰鬱とした雰囲気は薄れて不思議と爽やかな余韻を残す作品に昇華されています。これを『良し』と捉えるのか『悪し』と捉えるのかは勿論ファン層によって大きく別れるところだと思いますが。

新劇場版どころか、エヴァをちゃんと見返すのもご無沙汰。ですが、記憶が薄れているとはいえ、名言・名シーンの数々には気持ちが高まりました。わけも分からず三鷹から箱根(第三新東京市)に連れてこられ、使徒と国連軍とのドンパチを見せつけられたシンジに対して、周りの大人たちが寄って集って『さっさとエヴァに乗れ』と迫る姿は、切羽詰まった状況とはいえやっぱり鬼畜だなと。初めましてのお姉さんに『何の為に来たの?』とか言われたら『嫌だよ!!!』


◆ あなたは死なないわ、私が守るもの。

今作における一番の見せ場は、ラミエル戦で日本全土を巻き込みながら展開された『ヤシマ作戦』であることは言うに及ばず。強力な使徒との戦いであるが故の緊迫感は勿論ですが、他者を寄せ付けないミステリアスな雰囲気を醸し出していた(だが、それが良い)綾波レイと碇シンジが歩み寄る姿が描かれている(それが故に名台詞が多い!)ため非常に見応えがあるパートでした。これも14年前から仕組まれていた計画のうちか。つらすぎるな。

従来作品ではフォーンフォーンと芦ノ湖上空をふわふわ浮いているだけだった正八面体のラミエルが、今作で初めて見せたあまりにも多彩な攻撃モーションに驚きました。『アニメ版の焼き直しでは無いか』と不満を募らせていた層(僕ではありません。)も、このシーンにはさすがに胸が熱くなったのではないでしょうか。

ヤシマ作戦を指揮するポニテのミサトさんも可愛かったし、笑えばいいと思うレイも可愛かった。壮絶な使徒との連戦であっても、この頃がやっぱり一番平和なんだよなってことを思い直すと、セカンドインパクトが起きただけでエヴァの世界は人生ハードモードすぎますね。


◆ 死海文書外典は掟の書へと行を移した。

...!!!??

月面にならんだ棺のような黒い箱。既に四つは開けられており、五番目の箱から《最後のシ者》であり《フィフスチルドレン》である渚カヲルが姿を現しました。月面には大量の血の様な跡と、セントラルドグマ(黒き月)に保管されているリリスと対になる様に横たわるアダムと思しき謎の巨人。死海文書外典?掟の書?な、なんだこれは...!

ゼーレの中心人物キールと何やら契約について話を進めるカヲルくん。アニメ版では最後のシ者としてゼーレによりNERV本部に送り込まれたカヲルくんでしたが『結構早い段階からゼーレと打ち合わせしていたんだよ』っていうこと?舞台裏を見せてくれたって言う事なのかな。カヲルくんが入っていた箱が沢山あったのも気になるし、月の巨人も気になるし、ここで終劇はいやらしすぎるぜ。


EDは宇多田ヒカルの『Beautiful World』

エヴァンゲリオンといえば『残酷な天使のテーゼ』や『魂のルフラン』のイメージが強すぎるので、〆が高橋洋子じゃないことにちよっと違和感ありますが、『Beautiful World』の曲自体は嫌いじゃないです。むしろ好き。今になって読み返すと、歌詞もちょっとエヴァっぽいかも?


𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄

あちゃんとアニメを観よう企画

あちゃん、お誘いありがとう!
ファーストチョイスが『エヴァンゲリオン』っていうあたりにやはりセンスを感じますな!エヴァは考察しがいのある作品だけど、アニメ版と旧劇をおさらいせずに突撃しちゃったもんだから弱いな〜。

さぁて!次回もサービスサービスぅ♪