ジュライ

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のジュライのレビュー・感想・評価

3.6
再鑑賞。展開早くて助かる。でもアスカ出ないこと忘れててブルー。
TV版の頃は日常に当たり前にあったウォークマンやら公衆電話やらがすでに前世紀の遺物である今となっては、当時の庵野さん本人すら意図していなかったであろう感興をそそる舞台装置と化していますね。

つくづく、シンジはあの若さで健気によく頑張ってるなぁと感心します。そりゃヒーロー的ではないけど、あの年齢にしてはかなり人間ができてるほうだと思う。
「エヴァに乗るも乗らないもシンジの自由」と周りの大人は言うけれど、乗らなきゃ名実ともに無価値な人間とされてしまうシンジにとって、実質的には選択肢なんてないに等しいわけで。
それを、うわべだけは選択肢があるように装う詭弁が余計に残酷で、実際はほとんどシンジの存在意義を盾にとっての恫喝に近いことを(ゲンドウ以外はそこまでしている自覚はないにせよ)されてるんだから、そりゃシンジの立場からすれば泣き言のひとつやふたつも言って拗ねたくなるだろうと、肩を持ちたくなります。
それでも自分が10代の頃は「でもみんな仕事でやってるんだし、大人の世界ってそんなもんなのかなぁ」と思って観てたけど、それなりの年齢になってから今改めて観ると、ますますこんな大人たちイヤだ。特にミサト。

逆のパターンが『火垂るの墓』で、あれは子供の頃に観ると親戚のおばさんの態度に義憤を覚えたものだけど、大人になってから観ると、おばさんの気持ちもよく分かる。
ジュライ

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