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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序のpikaのレビュー・感想・評価

4.0
劇場公開以来の鑑賞なので15年近くぶり!エヴァを大好きだった頃とは感覚も変わっているだろうし、今見ても響かないだろうなとおそるおそる見てみたらビックリするくらい刺さった。ほぼテレビシリーズ通りのストーリーなので、展開も絵も構図も、何度も見て記憶に定着している、馴染みの深いもので、以前と同じものを見ているのはずなのに、昔好きで夢中になっていた頃とは全く違う、新鮮な感動があった。今見た方が断然いい。映画は年齢や時代によって何度でも表情を変えるってマジだなと改めて実感した。

最初から最後までずっと物足りない。もっと溜めて、もったいぶって欲しいと口惜しくなるくらい、展開もカットもスピードが早い。ヤシマ作戦でめちゃくちゃ盛り上がるのにシンジとレイのシーンは極あっさりと終わる。心配になるくらいなんだが、だからいいという、ダラダラしていたらシーンのディテールにばかり目が行って本質的な意図や良さに気付けないのかも。ちょっと主語がでかいけど、シンジは人間のもつある普遍的な一面を誇張したキャラクターで、誰もがシンジに共感してしまえる。孤独なまま社会生活に参加しなければならない人間の様々な感情を多角的に見せてくる。子供の頃からでもある程度感じ取っている部分だけど、大人になってから見ると、よりキツイ。「逃げちゃだめだ」の重さたるや。自立自活してから見るとキツいうえに生々しい。セカンドインパクト後の第3新東京市じゃなくて現実。人類のあるある。
シンジは改めて見るとかなり不遇で理不尽な環境にいるので、むしろ感心する。綾波がエヴァに乗る理由「絆だから」も今考えるとヘビーだ。
いや、前見てたときは全く何にも考えてなかったんだな。
今更エヴァに感動してわーわーと言って恥ずかしさすらあるが、シン・エヴァまで突っ切ります。


【1回目】2007/9/6 劇場
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