カトリーヌ・ドヌーヴ主演のメロドラマ。
オフシーズンのリゾート地。死んだ恋人の思い出に生きるエレーヌと彼女に惹かれる孤独な男ジルの心の迷いや葛藤が静かに美しい映像で綴られる。
フレームいっぱいに収まるドヌーヴ様のビジュアルはうっとりするに余りある。加えて原色コーデ(絶妙なグラデーション含め)が殊更目を引く。パーンと視界に飛び込むビビットな赤、青、緑、更に黄色の着こなしが流石！ファッション上級者でもとても真似出来ないレベル。
通してロケーションの美しさは言うまでもなく、ここぞの場面で何度も挿入される昼メロチックな音楽が癖になる。安っぽくなるどころかグンとドラマティックさを演出する。
主だった起伏が無く、ともすれば退屈とも思わせ続けてのクライマックス、一筋の涙から痺れるエンドクレジットへの誘導は素晴らしかった。
ジルを演じたパトリック・ドヴェールは翌年自ら命を絶ったと知ると更に彼の演技に鬼気迫るものを感じて複雑。
