バイク対戦車とかいう男のロマン。
「ヴィナス戦記」
1989年 原作・キャラデザ・監督 安彦良和
@みなみ会館
安彦良和監督って方は僕が大好きだった「勇者ライディーン」に携わっていたらしく、後にガンダムのキャラデザと作画監督を務めていた方だそうなんだけど、アニメにハマるのが遅すぎて名前と遍歴が一致しないというか覚えられない…安彦良和ってどっちも名前やないかややこしい!(笑)
公開当時ヒットしなかった作品らしく、申し訳ないことに僕はタイトルすら知らなかった。けど、みなみ会館の上映作品に名を連ねてるからただものじゃないんだろなと思って気になりだしたところ、「シン・ゴジラ 」きっかけでエヴァに引き込んでくれた友人が「ただの名作」的なことを言うので迷いは怯んで観てきた。
おお、これは芳しきカルトの香り。一般的には見直されもしない真のカルトの匂いがしたぜ!
2080年代、移住が可能となったなった金星=ヴィナスが舞台。こっち側とあっち側(名前覚えてない…)2つの勢力は戦争状態にある。
主人公ヒロたち一味は閉塞感に満ちた今と未来への不満をぶつけるかのように「ローリング・ゲーム」という名のバイクレースの危険に生を見出していた。
青春作品あるあるですねー。いいぞ!一輪のバイクっていうデザインもカッコいい。
そのレース中に突然、あっち側が侵攻してきた。いきなり熱々展開ですぜ!
戦いに巻き込まれていくヒロたち。同時進行で描かれる、地球からやってきたジャーナリスト見習いスゥは金星の案内人的な役割だ。
1989年のアニメーションの技術、安彦良和のセンスに驚かされた。
アクションや戦闘シーンのスピード感。そのダイナミックさ。決まってる構図。目まぐるしく展開していく、男好きする作画の連打連打連打!
特に、何をやってもびくともしないあっち側の戦車に対して、ならばとでっかいクレーン操って殴るとこ!重機の鉄拳制裁に燃え上がった!
あ、けど、たぶん、彼らの行動って全部失敗だったような…こりゃ一般受けは無理なはずだ。
あと特筆は、金星っぽい場所の実写映像にアニメをオンしたシーン。金星感出てたなあ。行ったことないけどそういうことだ。
そのシーン踏まえて、難民キャンプでマギーを探すラストシーンの美しいことよ!
マギーといえば、スゥ、ミランダ加えて3人の女性キャラが非常に立っていた。2080年だけど1980年代後半な女性像。一人一人について語りたいけど長くなり過ぎるのでやめとこ。
恐ろしく説得力あるセリフがあったので最後に置いておきます。
戦争において、軍人は人を殺しても罪に問われない。
戦争という大義が、人を殺す。
真理。