素潜り旬

太陽と月に背いての素潜り旬のレビュー・感想・評価

太陽と月に背いて(1995年製作の映画)
-
『太陽と月に背いて』を観た。もう何度目だろう。いま俺はDVDで繰り返し観られるが、はじめは大学の図書館のレーザーディスクだった。あの衝撃は忘れられない。特にディカプリオの髪型を見た瞬間。あれにしたいと思った。あれにしなきゃいけないと思った。そして幼稚園の頃から通っている美容院に行き、この髪型は外国人特有のくせっ毛だからできないと言われた。俺はそれでも構わないと言い、結果仕上がりに満足せず、ゆるやかな逆ギレをして、数年通うのをやめた。その後俺は洒落た美容室でパーマを当てられボブ・ディランのようになった。
久々に観た『太陽と月に背いて』は、思った以上に太陽の映画だった。太陽の方へ行きたい、太陽が溶け出した海、太陽…太陽…太陽…太陽に背いていないし、月が出てくるわけでもないし、格好良い邦題だけれど少しへんな気がする。原題は『Total Eclipse』だからランボオに覆われてしまったヴェルレーヌということだろうか。となると邦題はランボオとヴェルレーヌに背いた詩というニュアンスかも。太陽と月に背いて(詩はどこへ?)か。
この映画は素潜り旬の人格形成に多大なる影響を及ぼしていて、詩人はこうあるべきなんだ、こういう振る舞いをしていいんだ、何をしてもいいんだ、と錯覚してしまい、だいぶん遠回りをした。笑 いまは抜けているだろうか。少し心配になったが、このディカプリオ演じるランボオはやっぱり憧れる。俺ももう31歳なのだから16歳に憧れてしまうヴェルレーヌに被ってくる。だんだんそういう見方になってくるのだな。ああ、歳をとった。
素潜り旬

素潜り旬