らんらん

お小夜恋姿のらんらんのレビュー・感想・評価

お小夜恋姿(1934年製作の映画)
3.5
田中絹代主演作
トーキーかと思ったらほぼサイレント、サウンド版なる言葉を初めて知った映画

【あらすじ】
若い画家の男(山内光)はモデルの女(坪内美子)との間に子供ができてしまい結婚を決意し母親(葛城文子)にそのことを伝えるのですが
「今はその時期ではない、父親の遺志を継ぎ立派な画を完成してからではなくては」と諭され、お互いしばらく離れて時期を待つことになる

画を完成させるため女と離れるため男は馴染みの湯の街へと旅立つ
そこの宿屋の娘お小夜(田中絹代)は馴染みの客である男を好いておりその到着を喜ぶのだが
男を追ってきた女が将来を悲観し身投げをしてしまい、ショックを受けた男はお小夜に何も告げず去ってしまう

事情はよくわからないが男が去ってしまったことを悲しみ泣きくれるお小夜

場面は変わり原稿を書く男(斎藤達雄)
、、、という筋なんだかね、この小説は
男「お小夜さんかわいそうだろ?」
傍にいる女(田中絹代)「この画家は浮気で薄情ね」
男「だって男が薄情でなければ悲劇にならんよ」

ええーー!?ここまで1時間引っ張ってきて?残り30分はどんなお話に、、、

【感想】
以下ネタバレ
傍にいる女もお小夜さん、小説と同じく湯の街の宿屋の娘さん
自分と同じ名前の主人公が悲劇なのでちょっとプンプン
こちらのお小夜さんも車の送迎をしている男に恋をしています
ですがこちらの恋もお小夜には理由がわからないまま別れてしまうことに、、、

サウンド版ってのは基本サイレント映画、台詞は字幕なので演技もサイレント風
ただし音楽がついていて、それと同じようにたまに音声の台詞がナレーションのように挿入されている
この手の映画見たことあったかなぁ?サイレント映画自体見るのはかなり久しぶりなのでなんか新鮮だった

ストーリーは前半から中盤までが小説の中のお話だったっていう、まさかの展開
その伏線、意味を考えるんだけどいまいちわからず、、、
小説でも現実でも同じような悲劇に見舞われちゃうお小夜さん、ほんと男が薄情だから悲劇になるんだなーって

田中絹代の振袖かんざし姿がかわいらしい、でも悲劇なので束の間に喜ばせておいてキッチリ落とす、はらはらと泣く田中絹代がかわいそう

最後に、、、今回もあった
脱衣所にクラブ歯磨のポスター!
毎回クラブ歯磨なりクラブ乳液を探すのが一つの楽しみです
らんらん

らんらん