MoscatoBianco

幽霊と未亡人のMoscatoBiancoのレビュー・感想・評価

幽霊と未亡人(1947年製作の映画)
4.0
ジーン・ティアニーさん4本目

これは良い映画です。
船長の幽霊とお綺麗な未亡人の話です。

未亡人は死んだ夫の家を出て、海の近くにある船長の家「アヒル荘」に引っ越します。
アヒル荘は貸家になっていますが、船長が化けて出るので、誰も借りません。でも未亡人は幽霊なんかに負けず定住します。

この幽霊は渋いです。レックス・ハリソンです。幽霊のくせに声がデカい。影が濃い。海の男です(でした)。
でも紳士的。家賃の支払に困る未亡人のために、まさにゴーストライター役を買って出ます。

このネタで今映画を作れば、致死量を超える人工甘味料が添加されたような大甘な映画になるか、脱水症状になるくらい泣かせようとする感傷的な映画になるか、どちらかだと思います。

この映画は違います。抑制が利いています。幽霊と未亡人は身体的に接触しません。感情的にも盛り上げません。安っちくありません。
昔の映画のこういう抑制は大変良いと思います。
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