AONI

真夜中の招待状のAONIのレビュー・感想・評価

真夜中の招待状(1981年製作の映画)
3.5
疲労した現代人の心に忍び寄る、闇からの囁き。 予知夢、心霊写真、催眠術・・・。オカルトと心理学を巧みに融合させ、中盤までは相当に見応えがある。 自分の指の組み方が気になること必至!

鑑賞している途中で、子供の頃に見たトラウマ作品だったことに気付いた。火曜サスペンスか何かと思っていたのだが、まさか野村芳太郎作品だったとは! 長いトンネル、深い谷、城跡・・・という夢の景色。そしてあの不気味な写真と絵! 子供だった我輩の脳裏にこびり付いて離れなかった映像だ。

種明かししてみれば実に拍子抜けする話なわけだが、ミステリーって大概はそういうもの。 ある出来事を契機に、突然に失踪したり消えてしまいたくなる。疲れ果てた現代人は誰しも、こんな闇を抱えて生きているのではないだろうか?

ヒロインの小林麻美はお世辞にも上手い演技とは言えないが、小林薫、高橋悦史、渡瀬恒彦をはじめ、脇を固める役者陣が演技派揃いなので、まあ安心して見ていられる。

必見なのが我らが丹波哲郎。心理学の権威に扮し、高倉健にも俺が教えたと豪語する得意の催眠術を披露してくれますぞ。
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