ペルセポリスの作品情報・感想・評価

『ペルセポリス』に投稿された感想・評価

bssymphony

bssymphonyの感想・評価

3.5
(20090903)
WOWOWにて。イラン出身の漫画家・イラストレーター マルジャン・サトラピの半自伝的漫画の映画化作品。モノクロームの回想シーンを中心としたバンドデシネ的な画面構成になっています。同時期に見た2作品(「風が吹くとき」と「アズールとアズマール」)の評価すべき部分を抽出・濃縮してユーモアを倍増させたような作品。中東問題やグローバリズムの問題についての視野を確実に広げてくれるものですね。
sonozy

sonozyの感想・評価

4.0
イラン出身フランスの女性漫画家/イラストレーター、マルジャン・サトラピのイランでの幼少期とヨーロッパでの少女時代が描かれた半自伝的グラフィック・ノベルを、アニメーターのヴァンサン・パロノーとの共同監督でアニメーション映画化。
カンヌ国際映画祭 審査員賞ほか。

1978年、テヘランに住む9歳の元気少女マルジ。
圧政、密告、革命防衛隊の目、空爆、戦争の激化...
男性優位社会での理不尽な抑圧。

マルジはその過酷な恐怖の日々を生き抜きながら、ブルース・リー好きのヤンチャで好奇心旺盛、"Punk is Not Dead"プリントT&スニーカー姿で街を歩き、闇市のおっちゃんからヘビメタ(アイアン・メイデン)のカセットテープをゲットし、部屋で聴きながらヘドバンしたりと、過酷な実体験を皮肉やユーモア交えながら演出しており、何とも魅力的。

フランス語の堪能なマルジは両親の勧めで戦火のイランを離れウィーンのフランス語学校へ。

親の友人宅からシスターが運営する厳しめの女子寮へ移り、パンクな友人達とメタルライブなどを楽しむものの、直情的な性格でシスターに悪態つき追い出され、友人やツテを辿って転々と居候生活に。

その後は、戦火の母国を離れ安全な場所での軽薄な生活への罪悪感、二つの恋愛の失敗の失意、ホームレスのような日々、イラクと停戦した母国への帰国、引き篭もり、うつ病、元気復活、結婚と離婚...未だ続く抑圧と戦いつつ、再びフランスへ旅立つ、まさに激動の幼少期から青年期。

反政府主義者として投獄されてしまう叔父からは社会について教わり、大好きな祖母は良き相談相手であり人生の指南役。この二人の存在の大きさも見て取れます。

マルジが遅刻するからと学校へ走っていた時、街をパトロール中の革命防衛隊の車に追われ「走るとケツが揺れて卑猥だから走ってはダメだ」と警告するというエピソードなど、呆れるクソ男社会イランの実情がそこかしこに。
マオ

マオの感想・評価

-
授業!これめっちゃ面白かった!いや、なんか内容はめちゃくちゃ辛いんだけど...。所々笑えるところが何とも言えないなあ。おばあちゃん、自分をしっかり持っててかっこいい。
よん

よんの感想・評価

3.7
リアルすぎて逆に切ない。
市民として、娘として、1人の女性として。
アイオブザタイガーのとこ好き
最近のアニメーション映画すごくリアルなのが多い気がするから絵柄が平面的で新鮮だった
途中まで白黒なの気づかなかった
いりす

いりすの感想・評価

3.0
伏見ミリオン座で観たフランスのアニメ映画。

テヘランに住むイラン人少女の視点から描く、動乱のイラン描写が面白い。
ブルース・リーが大好き…
町中で流行るアバの楽曲は、時代遅れ…
ゴジラ映画には、感情移入出来ない…
等など、70年代から90年代の文化を背景にイラン人女性監督が少女時代から自分自身の生い立ちを追いかけます。

自分らしく生きようとする
70~90年代のイランを舞台に、少女マルジの成長と3代に渡る母娘の愛を皮肉とユーモアで描く。

1978年のイラン。9歳の少女マルジはブルース・リーが大好きな元気な女の子。パパとママとおばあちゃんに囲まれ、何不自由ない生活を送っていた。しかし、革命が起きてイスラム政権が誕生すると生活は一変、

マルジとその母の声の担当は実生活でも母娘であるカトリーヌ・ドヌーブとキアラ・マストロヤンニ。
Persepolis

イスラム革命下のイランを生きる少女マルジの成長物語
誇り高いけどいい感じに俗なおばあちゃんが素敵
イラン出身の漫画家マルジャン・サトラピの少女時代の自伝的アニメーション。イランの激動の時代を少女の目を通して描く。イランの立場と苦悩がよくわかった。知らなかったことばかりで、たくさん誤解していた。私は西側の人間なんだと自覚した。とてもためになりました。

「独裁者と小さな孫」を観て、イラン革命の前後を知りたかったので観ました。イランの近代史のサマリーとイラン人から見た世界観を知ることができた。クーデターで王朝を終わらせ、軍人が代わって国王を名乗り、またクーデターで宗教家が指導者になり、その後も保守的な政権が圧倒している。

特に、国王に成った軍人一家パーレビ国王の時代とイスラム主義政策のホメイニ師の時代。どちらも独裁政治で圧政だが、より酷かったのはどちらか。それはなぜか。イラン人の言葉で語られていた。

動乱の時代を越えた人びとは強いし、とにかく女性が強くたくましい。

よくできたアニメーションだが、ホメイニ師死去の後が描かれていない。現政権に関しては描きにくいものか。

それと、ロシア観も描いていなかったし、コミュニズムの台頭についても避けているようにみえた。反政府を十把一絡げにコミュニズムとされていたのと関係あるのか。気になることが続々出てきた。

イギリス、ロシア、アメリカの帝国主義と資本主義に翻弄された国、イラン。現在、ウクライナが置かれている状況と同じ。

タイトル「ペルセポリス」はイラン人の誇りである遺跡「ペルシャの都市」のこと。








以下はあらすじ(長いです)











マルジャン一家は、パーレビ国王の父親が軍人だった時に倒した最後の王朝の末裔であり、裕福ではあっても特権は剥奪され、一般人として暮らしている。パーレビ国王への反政府活動家の伯父は逮捕収監されていた。

しかし、自由があった。宗教は強制力なく、お酒も男女交際も服装もアメリカの音楽も、「白色革命」で形だけは西洋化していた。(民主化はしていない)

1978年、パーレビ国王を失脚させたイラン革命によって、すべてが変わった。女性はスカーフ等していなかったのに、スカーフを着用義務。男尊女卑の世界に変わっていく。

1982年に勃発したイラン・イラク戦争で焦土と化し、新政権は、締め付けをさらに厳しくし、街中にスパイを張り巡らし、密告が横行した。自由は剥奪され、今までの楽しみは隠れてしなければならなくなった。見つかれば逮捕される。

マルジャンはトルコの山越えをしオーストリアへ亡命。ウィーンのフランス語学校で自由を得るが、祖国で戦う人達、戦火の家族を思い、自分を責め、虚無的になってしまう。ホームレスを経て帰国。

その後も、男尊女卑が進んだ母国で激しく自己主張しながら、自分の道を探すマルジャン。服装もスカーフからマグナエ着用義務へと退化していた。マルジャンの母親も圧政や男尊女卑に対して強く抵抗。決して引かない。そのまた祖母はさらに強く毒舌。下ネタ大好きなお茶目なおばあちゃんは精神の気高さをマルジャンに教え続ける。

結果的にフランスに留学することになるのだが、イラン人のマルジャンにとってオーストリアをはじめとするヨーロッパは個人主義で、大家族の中で育った感覚からすると冷たい人びと、利己的な人びとに映っていた。イギリスへは憎悪に近い感情。ヨーロッパではイラン人は激しく野蛮と差別される。
イランの1970年代から90年代までを生きたマルジのモノクロアニメ。
>|

あなたにおすすめの記事